大橋衛:三島市移住アンバサダー・三島酒場放浪記 水が美しい街の本当の魅力は、 そこに集う面白すぎる人たちの出会い 街すべてがサードプレイスそれが三島 2024.11.11 Post Share RSS Pin it コロナでのフルリモートワークが導いた(?!) 三島とのつながり 私は2014年に横浜から三島に移住しました。当初は週5日新幹線で東京の会社に通っており、帰りは新幹線最終。土日は家族と過ごし、三島のコミュニティとは縁が無い状態でした。 その状況が変化したのは2020年の新型コロナの感染拡大からです。会社からの指令でフルリモートでの勤務という状態に。気分転換の外出もままならないし、話す相手は家族だけだし、「もしかして他の社員は出社していて、俺だけが家にいるのではないか?!」などと考えるほどちょっとおかしくなりかけて、これではいけないと、みしま未来研究所(みらけん)のコワーキングスペースを借りることにしたんです。 私はエンジニアですが、三島に同業者はそんなにいないだろうと思っていたら、みらけんには大手企業のエンジニアが来るし、面白い仕事をしているエンジニアが夜活動するために来ていたりして「えっ、三島って色んな人がいるんだ!」と知りました。 もともと、会社でもエンジニアの価値を高めるために技術者のコミュニティづくりの活動などをしていたので、三島でもエンジニアを軸になにかできるのではないか? と考えはじめました。みらけんを通じて、またいろいろなコミュニティのイベントを通じて人脈も広がり、面白い人とどんどんつながって、市や行政ともつながっていきました。その流れで、2022年に「三島市移住アンバサダー」を拝命することになったんです。 三島にエンジニアを呼び込もう! 「みしま日帰りワーケーション体験ツアー」を開催 そしてやり始めたのが「みしま日帰りワーケーション体験ツアー」(みしま1dwt)です。これは会社とは関係ない、まったくの個人活動でした。当時国主導で広まりつつあったワーケーションを通して、三島を知ってもらおうと考えました。これで三島のファンが増えれば地元にも貢献できるかな? という思いもありました。といっても、本当の始まりは、たまたま同じイベントに出ていた仲間2人が、全員新幹線で三島に帰る車中で一緒になり、飲みながら話しながら帰宅したら、いつも以上に「あっという間」に三島について、「うわっ、三島って改めてほんとに近いよね!」と感激しあって、こんな近いところに面白い人がいて、魅力的な街があることをもっとたくさんの人に知ってもらいたい! というのが最初の動機だったんです。1dwtは日帰りだけど、せっかくだからと前日から三島入りする方もいたので、前夜祭、ワーケーション当日、懇親会、(残って泊まる人がいたら)翌朝の街さんぽというメニューで行いました。「仕事合間の休憩場所が、透き通った水が流れる川だなんて最高」「三島って本当に近い! なんなら普段の通勤より時間かからない」「東京からの距離も、都市だけど自然がある加減も“ちょうどいい”」「少しの距離移動ですごいものにたくさん出会える。ほかではありえない」など、参加者はおしなべて三島の魅力に触れてもらえたようです。この試みの後、会社の後輩が2拠点生活を送る場所として三島を選んだのも成果の1つになったかもしれません。さらに2022年、KDDIの関連会社であるKDDIアジャイル開発センター(KAG)に出向となり、三島オフィスが設立されることに。私はその立ち上げを任され、初代オフィス長に就任しました。これでますます三島との縁が深くなっていきました。三島のさまざまな人々と出会う機会が増えて、人生に新しい引き出しが増えていきました。オンタイムも、オフタイムもその状況が続くような日々で、刺激的でありワクワクするような出会いや取り組みが次々集まってくるような感じでした。そう、この頃は仕事とプライベートに境目がなかったんですね。完全にフルコミット状態で、当時は楽しくて、やりがいがあって、気がついていませんでしたが、今思えばやはり、少し大変だったかもしれません。そんな折、2024年に本社に戻ることとなり、東京への出社回数も増えました。担当業務も今までとはまるっきり変わってしまい、三島での活動は、残念ながら前と同じようにはなかなかできなくなってきています。 これからも三島のコミュニティには関わり続ける とはいえ、もちろん三島のコミュニティにはこれからも関わり続けます。たとえばコミュニティに関わる人たちの情報交換や交流を行うコミュニティリーダーズサミット(CLS)、これは2018年に高知での初開催から参加していて、今、コミュニティがたくさん生まれて横つながりもできはじめている三島に必要だと、コミュニティについてよく話し合っている川村結里子さんを誘って、2024年には「CLS三島らへん」として、三島周辺の地域も含んだCLSを開催、来年も7月に開催予定で、こちらには関わっていきたいと思っています。また月に1回、三島の魅力的な呑み屋を探索して、主としてInstagramで紹介する「三島酒場放浪記」も活動中。これは、チェーン店がほとんどないために、初めて三島に来た人が夜、どこで飲んだらいいか迷うときに「こんなに魅力的な個人店がありますよ!」と知ってもらうために始めた活動です。今では、毎月三島の仲間たちと一緒に巡ることを楽しみにしています。三島と関われる時間が大きく減ってしまったこともあり、自分がプレイヤーとして動ける機会は少なくなってしまうと思います。ですが、これからは自分がプレイヤーとして何でもやるのではなく、三島で出会ったたくさんの仲間たちと一緒になって、何かを仕掛けていくといった、プロデューサー的な動きができないだろうか? など、やり方も考えていきたいと思っています。 【ひとこと】私自身はサードプレイスとなるような場所を持っていませんが、俯瞰してみると、三島自体がサードプレイスに思えるんです。そこにソトから人を連れてくるのが、私やみんながやっていること。三島に興味を持ったら、まずそういう人たちが開いているいろんな場やイベントに顔を出してみてください。そこで出会える人たちこそが、三島の一番の魅力です。観光ポイントを目的にして訪れると、すぐに見終わっちゃいますが、人は三島の奥深くへあなたを連れて行ってくれるはずです。 【あなたにとって三島はどんな場所?】10年以上前を知る人と話す機会があったとき「少し前まで三島は閉鎖的だったよ」と言われて驚きました。どうも、10年ぐらい前に今のような横つながりのコミュニティができるための、何かが起きたようなんです。それが人なのか、できごとなのか分かりませんが、「三島は面白そうだ」と思われるきっかけがあり、関係人口がどんどん増えて今のオープンな街になっていったようですね。よく三島を表す言葉に“ちょうどいい”があります。これもいつ頃から言われ始めたのかなど、興味がありますね。 【三島でのお気に入りの場所・モノ・コトは?】白滝公園と桜川。桜川は幅広で、水がゆうゆうと流れていく様子が好きなんです。白滝公園も、水と緑が本当に美しい。昼間もですが、夜の風景もとても惹かれます。 【サードプレイス利用者へひとこと】色んな人がいて、色んな場所があって、三島には肩肘張った自分を解き放てるような、不思議な力があると思います。そんな魅力を体感しに来てみてください。そこで出会った人やモノが、あなたのもう一つの居場所になるかもしれません。気負わずにふらっと来て楽しんでみて! 大橋衛(おおはし・まもる)KDDI株式会社 IoT技術本部IoT技術部エキスパート。2014年に両親・祖母と同居するために一家で三島市へ移住。コロナ禍に三島のコミュニティと出会い、自らも活動を始める。エンジニアを中心とした市外の人々に三島の魅力に触れてもらおうと、「みしま日帰りワーケーション体験ツアー」を4回開催。2022年、三島市移住アンバサダー就任。2022年、KDDIアジャイル開発センター株式会社センター長を経て、2024年6月より現職。月1回、三島の魅力的な呑み屋を紹介する「三島酒場放浪記」をInstagramなどで展開中。 Post Share Pin it コミュニティをつくり、コミュニティをミックスし、設計する 前の記事 ものづくりが好きな人が集まり、文化や芸術でつながる 三島の交流拠点を造りたい 次の記事