まちの仲間が集まる三島市のサードプレイスを紹介します!

竹内佑騎:Hotel Gee Haive

「他楽(ほからく)」の精神で、三島に貢献できる
ホテル事業を展開したい

次から次へ重要な人をつなげてくれる、
三島の懐の深さ

2022年に以前ホテル経営していた方から引き継ぎ、リニューアルして寿町にHotel Gee Haive(ホテルジーハイブ)をオープンしました。

私は静岡市清水の出身で、メインのホテルは清水にあります。
三島ではいわば、よそ者としてのスタートでしたが、オープン直後から観光関係の方はじめ三島のキーマンが次々訪れてくださって、ありがたいことに「あの人を紹介しよう」「これやりたいなら、この人と知り合っておきなさい」という具合に、三島コミュニティの中にグイグイと引き込んでくださいました。
「三島ってオープンな場所だな」と実感しました。
そういう三島のオープンマインドさや、あちらこちらにユニークな人が開いているサードプレイス的な場所があるおもしろさに圧倒的に惚れ込みました。
ホテルって基本的に外から人が泊まりに来ますが、逆に地域の人がわざわざ来ることは少ないですよね。
でも、私は地域の方々にも利用してもらえる空間にしたかった。
いろいろ取り組みをしていますが、たとえば三島バルに参加して、ホテルで出している食事を食べていただく機会をつくったりしました。
そういうことを重ねて、宿泊者と地元の人がつながれる場になっていったらと思います。

他楽の精神で、ノウハウはすべてオープン、
共ににぎわいを作り出したい

私は静岡市清水で昭和初期に前身を持つ竹屋旅館の家に生まれ、社会を知るためにいったん銀行に就職した後、株式会社竹屋旅館に入社。2015年に事業継承し、4代目に就任しました。
大学院で経営学を学びMBAを取得して、他のホテルにはない魅力をつくろうと差別化に力を入れていました。
そこで取り組んだのが健康と観光をかけ合わせた「メディシェフ」という、病気があっても健康でも、どういう体調でも美味しく味わえる食事を出す事業です。
「ジャパンヘルスケアビジネスコンテスト」で2016年に優秀賞を受賞もしましたが、審査員の方が「志が低い。このやり方では社会は変えられない。どこのホテルでもどこの街でも家庭でも食べられるシステムを作るぐらいの志を持ちなさい」と厳しいコメントをくださって、ショックを受けました。
そのコメントの意味を考え続けていたとき、竹屋旅館創業者の掲げていた「他楽」の精神が思い出されたんです。
働くとは、自分ではなく「他(ほか)」を「楽(らく)」にするという意味です。
「自分だけが生き残るために事業を展開しては、だめなんだ」と思い至り、そこで全てのノウハウをオープンにする方向に転換したんです。
すると不思議なことに、賛同してくださる仲間がどんどん増えていきました。
三島においてもこの事業スタイルを貫き、三島に貢献したいと思っています。

健康✕観光、IoT✕観光で
三島に人を呼び込みたい

今、ウェルネスツーリズムにも取り組んでいる最中です。
現在展開しているのは、体調や気分などを入力していただくと、それに応じたツアー提案をするというやり方ですが、さらに進めてスマートウォッチなどのデバイスを活用し、心身の状態をチェックして、ストレスが多い人にはこんなメニュー、体が疲れている人にはこんなメニューというふうに、メニューを提案する形に進化させようと思っています。
同じグループで来てもAさんはのんびり旅、Bさんはアクティブな旅というふうに個性に合わせて旅をする。
三島には多様なコンテンツがあるので対応できます。
ツアー後に心身がどう変化したかもデータをとり、数値でエビデンスを出せるようにしようとしています。
大学との産学連携で行っているところです。

未来を見続ける三島の人々は、先駆者モデル

私をさまざまなコミュニティに引き入れてくれた三島の方々と話していると、みなさん、三島の明るい未来を信じているんですね。
「三島が好きだ」とはっきり言葉にするし、「三島はこれから絶対おもしろくなるよ」と前向きに語っていらっしゃいます。
これって、ほかの地方都市ではあまりないんじゃないでしょうか。
私含め、外から三島に入ってきた者はやはり未来志向でいきたいですから(もちろん過去も勉強しますが)、三島のキーマンがみんな未来志向だということはすごく心強いし、重要だと思います。
しかも、キーマンも多様性があって、年齢性別国籍もバラバラ。
それによそでは自己紹介も「〇〇会社の△△です」みたいに企業名が最初に出るけど、三島の人たちは個人名が最初で、次に何をやっていますという紹介が来る。
とにかく三島を盛り上げよう! という熱がすごい。
この点はいろんな地方の参考になるんじゃないでしょうか。
地域モデルになりそうですね。
私も一員となり、さらにおもしろい関係人口を増やせていけたらと思います。

【ひとこと】
私が取り組んでいることの1つ、健康食は、体にいいというだけでありません。
それを食べることで糖尿病になる人を未病で防げるとしたら、1人あたり年間何百万円もかかる保険料が必要なくなるんです。
そんなふうに、見えないものの経済効果というか、お金の動きを見える化していくことも大事かと思います。
三島のサードプレイスも、利益以外の可能性、社会に与えるインパクトがあると思うので、それを見える化できたらより広がりができると思いますね。

【あなたにとって三島はどんな場所?】
やっぱり人でしょうか。
よそ者であっても、何かにチャレンジしようとしている人を、街のキーマンがおもしろがってくれて、次の人につなげてくれる。
そして「これやってるんなら、こういうの使うといいよ」とか「あの人に相談するといいよ」というふうに知恵を持ち寄ってくれる。
こんな場所はなかなかないと思います。

【三島でのお気に入りの場所・モノ・コトは?】
三島って、本当におもしろい人がおもしろい場を開いているんですよね。
そしてそれぞれが個性的で、多様性に富んでいる。
場の色がそれぞれ違うんです。
そういう場にお邪魔すると驚きますし、私自身が楽しいです。
あっちこっちにおもしろい場があることは、ものすごい魅力ですよね。

【サードプレイス利用者へひとこと】
三島でサードプレイスのおもしろさ、重要性に触れて、三島に惚れ込みました。
その影響で清水にプロスポーツをテーマにしたサードプレイス「SHIMIZU CROSS」をオープンさせました。
こんなふうに、三島で刺激を受けた人が外で何かをする、そんな可能性も感じています。
三島インパクトですね。
さらに、三島で楽しんだ方が清水にも訪れるような連携もつくれたらと思っています。

竹内佑騎(たけうち・ゆうき)
1982年生まれ、静岡市出身。
竹屋旅館4代目。
大学卒業後、メガバンクを経て株式会社竹屋旅館に入社、大学院でMBAを取得。
2015年に事業継承、4代目に就任。
並行して株式会社Otono(IoTを活用した観光事業)と健康✕観光の事業ドメインで医師や歯科医師と協力し「おいしい健康食」を提供する一般社団法人日本医食促進協会を立ち上げる。
ホテル事業では清水の「HOTEL QUEST SHIMIZU」、西伊豆の「AWA NISHIIZU」、三島の「Hotel Gee Haive」を展開。

Hotel Gee Hive
〒411-0039静岡県三島市寿町9-35(JR三島駅から徒歩5分)
駐車場:あり(要予約)
1名1泊 4,900円〜(無料朝食付き)(時期により料金に変動あり)

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