まちの仲間が集まる三島市のサードプレイスを紹介します!

和田亮一:LtG Startup Studio

“日本で一番チャレンジできるまち・三島” から
スタートアップが生まれる道筋をつくる

地域をつなげ、盛り上げることができる、
演劇の力

大学時代に演劇と出会い、その後、劇団を立ち上げるなどして演劇の世界で活動していました。
Peaceという劇団で、映画『カメラを止めるな!』の原作となった『Ghost in the Box』を上演するなど演劇活動をする傍ら、日本各地で演劇を用いたワークショップを行っていたんです。
ある地域では、1つの劇をみんなで作り上げるうちにだんだん関係する人が増えて、それぞれ自分ができることをその活動の中で自主的にやるようになって、上演までに地域全体が盛り上がっていく様を経験しました。
その頃から地域創生というか、地域づくりに意識が向くようになっていきました。
その後、「R-Startup Studio」というスタートアップに関する会社の立ち上げにも参加して、地域づくりとスタートアップ双方にノウハウを持つようになったんです。

三島でスタートアップを応援することになったきっかけ

三島市との関わりは2021年です。
地域を盛り上げる手段の1つとして、たとえば沼津が聖地になった人気アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』のように、アニメで地域を盛り上げるプロジェクトができないだろうかと考えて、各地の企業にお話をして回ってたんです。
そんな中、加和太建設の河田社長と会う機会があって、お話したらすごく意気投合して。
そのとき、当時何にも使われていなかった現在のLtG Startup Studioについて「起業する人を応援する施設にしたい」というお話を聞いたので、自分が創業に関わったスタートアップスタジオの話をして「そういう形がおもしろいんじゃないですかね」と話したら「いいね、じゃあ、一緒にやろうよ!」ということになったんです。

「やってよ」じゃなくて「一緒にやろう」という言葉に感激して、その日に三島市に移住を決めました。

そして、LtGは単なるコワーキングスペースみたいに場所を貸すだけの施設ではなくて、スタートアップについて相談できるような、ここから世界に羽ばたくビジネスが生まれるような場所にしたいと話し合って、今のような形態になっています。
サウナがあるのは、起業家同士のコミュニケーションにも役立つし、ペンチャーキャピタルの人たちはサウナが好きなので、来てもらうにもちょうど良かったんです。

「SHOGUN PITCH」で世界に羽ばたくスタートアップを支援

2022年から8月17日に加和太建設が開催している「SHOGUN PITCH」は、スタートアップを目指す人たちのピッチ(短いプレゼンテーション)コンテストです。
優勝者には賞金100万円や、LtGの入室権利などが与えられます。
8月17日は三嶋大社を信仰していた源頼朝が、源氏再興の旗揚げをした日です。
その歴史になぞられて「SHOGUN」という名前をつけました。縁があってテレビ東京「田村淳のTaMaRiBa」のプロデューサーと会う機会があったときに、TaMaRiBaは地域の課題を解決するのがテーマだけど……と言われたので、「三島は課題がない街ですよ。細かく見たらあるけど、それを凌駕するおもしろさがあるすごい街なんです」とお話したら、興味を持ってくれて、三島を見に来てくれたんです。
結果、「SHOGUN PITCH」を番組で取り上げてくれることになったんです(注:すでに番組では5回三島を取り上げている)。

「SHOGUN PITCH」は2024年夏で5回目を迎えます。
今までに世の中の困りごとを解決するための斬新なビジネスプランが提示され、実際にスタートしているし、私たちも支援しています。このイベントをきっかけにLtGのファウンダーになった人もいるし、三島に移住してきた人もいます。参加者や優勝した人・組織は必ずしも三島の人とは限りませんが、それこそこれも関係人口づくりでもあると思っています。

高校生と地元企業が結びついた
「総合的な探究の時間」

2023年から、日本大学三島高等学校・中学校の高等部で「総合的な探求の時間」を担当させていただいています。
半年通して起業体験をしてみようという内容で、社会の課題を解決するには何が必要かグループワークで考えていき、最後にグループでまとめた内容を発表するんです。

昨年、優勝したグループの内容は、「外来種であるアメリカザリガニを捕獲し、サーモンに食べさせる」というものでした。
ザリガニを食べるとサーモンの身が赤くなるそうで、これをスタートアップ的に組み立てて、生態系を撹乱するザリガニを捕獲して、サーモンの養殖につなげるというアイディアでした。
そうしたら、駿東郡の山一金属株式会社が行っている「夢実現パートナーシップ公開プレゼンテーション大会」でも優勝したうえに賞金100万円まで手にするという栄誉を得たんです。
これは授業を担当したものとしてとてもうれしかったです。
高校生にもスタートアップのおもしろさ、ワクワク感を伝えることができたかもしれません。
こういう場で生まれたアイディアが、将来三島でちゃんとしたスタートアップビジネスとして成功したらすごいことですよね。

【ひとこと】
チャレンジしてみたい人には、三島の環境はとてもいいと思っています。
すでにいろいろな形態で事業を立ち上げている人も多いし、そうした人たちにつながるネットワークもたくさんあります。
もちろんLtGもその一つです。
「こんなチャレンジをしてみたいけど、誰かに意見を聞いてみたい……」という人は、ぜひ三島に来てください。

【あなたにとって三島はどんな場所?】
私の故郷は福島ですが、三島にもなんとなくホーム感、地元感を感じています。
街がコンパクトだからなのか、歩いていると知り合いに必ず会うんですよね。
東京だと知っている人の顔って自分のコミュニティの人たちぐらいしか思い浮かびませんが、三島はこの人、あの人、ああ、あの人もいる……と次々顔が思い浮かぶ感じがして、これって本当に地元みたいな感覚だなって思います。安心できる場所ですね。

【三島でのお気に入りの場所・モノ・コトは?】
最初に三島に来て驚いたのは、なんといっても街なかの水の美しさです。
山奥で清流が流れているところはたくさんあるけど、街の中にこれほど美しい水がある場所ってほかにないんじゃないでしょうか。
特に好きなのは桜川沿いですね。
白滝公園から桜川に沿って歩いているときの心地よさは格別です。

【サードプレイス利用者へひとこと】
LtGはチャレンジしたい人を応援する場所です。
何かやってみたいことがあったら、相談にはいつでも乗りますよ。
ウェブサイトを見ていただければ問い合わせフォームがあるので、ご連絡してください。
三島からの挑戦を心底応援しますよ。

和田亮一(わだ・りょういち)
LtG Startup Studioゼネラルマネージャー。
コンテンツプロデューサー。
大学時代に演劇と出会い、その後劇団「Peace」を主宰し、映画『カメラを止めるな!』の原作となった『Ghost in the Box』を上演する。
同時に全国の小学校で演劇を用いたワークショップを開催し、演劇が地域をつなぎ、盛り上がることを確信する。
落語家・桂三輝のプロデュースや、日米合同制作のアニメプロジェクトなどの取り組みと並行し、2021年、LtG Startup Studioのゼネラルマネージャーに就任。
三島でスタートアップを目指す人の支援に取り組む。
また、2023年から日本大学三島高等学校・中学校の高等部で、学生が未来の仕事を考える「総合的な探究の時間」の授業を担当。

LtG Startup Studio
〒411-0853静岡県三島市大社町18-52 LtG Startup Studio内(JR三島駅から徒歩15分)
駐車場:なし
※基本的に入居会員のみ入館可。スタートアップの相談をしたい人は、ホームページのフォームから連絡すれば入館できる。

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